秘書検定2級 贈答のマナー
人生において一度は必ず、慶事や弔事に参加することがあるかと思います。
そんな時に困るのがマナーについて。
服装は?持ち物は?など色々な疑問がでてきますよね。
今回は、そんな慶事や弔事マナーの中から『贈答のマナー』について解説していきます。
お金が絡む事柄ですので、合格の為に覚えることはもちろんですが、私生活で困らないためにも勉強しておきましょう。
現金の包み方
慶事・弔事どちらに参加するかによって、現金の包み方は大きく異なります。
包み方を間違えてしまうだけで、真反対の意味をもってしまいますので、絶対に間違えないように注意して下さい。
慶事の包み方
慶事とは、結婚や出産などのお祝い事です。
「お祝い事の話を聞き、楽しみに準備をしていました。」という気持ちを伝えるために、お金は新札を用意しましょう。
また、喜びをはっきりと表現するためにも濃い墨で書くようにしましょう。
上の包みは、閉じるときに下側を上に重ねるようにします。
覚えにくい方は、「お祝い事だから万歳している姿を表現している」と覚えてみてください。
☑お札は新札を使用する。
☑濃い墨で書く。
☑上包みは、下側を上に重ねる。(万歳しているように)
弔事の包み方
弔事とは、死去・葬儀などのお悔やみ事です。
慶事とは異なり、弔事は楽しみに準備するような事ではありません。
「突然の事で、準備できませんでした。」という意味を込め、お金はしわや折り目のあるものを用意しましょう。
また、涙で薄れてしまったと表現するためにも薄い墨で書くようにしましょう。
上の包みは閉じるときに上側を下に重ねるようにします。
こちらも、覚えにくい方は「頭を下げ、お悔やみしている姿を表わしている」と覚えてみてください。
☑お札はしわや折り目のあるものを使う。
☑薄い墨で書く。
☑上包みは、上側を下に重ねる。(頭を下げているように)
中袋(中包み)の書き方
中袋とは、お祝儀袋の一番外側(外包み)の中に入れる袋のことを指します。
お金は基本的に中袋の中に入れなければなりません。
基本的にはセットで売っていますが、入っていなかった場合は白地の封筒や和紙で代用しましょう。
中袋に入れる金額やしわがあるか無いかなどは状況に応じて異なります。
しかし、向きは「人物の肖像が印刷されている側を上にする」とされています。
細かいかもしれませんが、印象に関わってきますので注意しましょう。
☑慶事の場合は表に金額を書き、裏の左下に住所と氏名を書く。
☑弔事の場合は表に何も書かず、裏側の右下に金額、左下に住所と氏名を書く。
☑お札は人物の肖像が印刷されている側を上にもってくる。
※市販の中袋で、裏側に金額を記入する欄があればそこに記入する。
水引の種類
「水引」とは、ご祝儀や不祝儀の際に用いられる飾りのことで、贈答品の包み紙や封筒などにかける紅白や白黒などの帯紐を言います。
未開封を表わしている・魔除けの意味をもつ、人と人の縁を結びつけるといった意味があると言われています。
蝶結び
蝶々結びのことです。
簡単にほどき、結び直すことができることから、「何回あっても良いこと」に使います。
1度きりが良いとされる場合には使わないようにしましょう。
(例)出産・お祝い・お歳暮など
結び切り
蝶結びとは反対に、「1度きりのほうが良いこと」に使います。
同じ事が2度と起きないよう、固く結びつけ、簡単にほどけないようにする結び方です。
(例)結婚・お見舞い・葬式など
あわじ結び
あわじ結びは、結び切りの一種です。
複雑な結び方をしており、簡単にほどくことができません。
そのため結び切りと同じように「1度きりのほうが良いこと」に使います。
意味としては大きな違いがありませんが、見た目が華やかであることから、近年ではあわじ結びがよく使用されています。
しかし、地域によって使用の意図が異なる場合がありますので、事前に確認することをオススメします。
☑画像では水引を分かりやすくするためにすべて慶事用にしていますが、
結び切り・あわじ結びは弔事用にも使用されますので注意しましょう。
表書きのマナー
表書きとは、慶事や弔事で渡す祝儀袋や不祝儀袋に書く文字のことです。
袋の中身がどういうものであるのかを明らかにするのと同時に、どういった気持ちを持って送ったものなのかを表わす意図があります。
基本的に上段中央(水引の上)に、目的に応じた言葉(御祝、寿、御香典など)を記載します。
下段(水引の下)には、自分の名前を書きましょう。
☑文字の大きさは、上段より小さくしましょう。
ここでは、状況に応じてどのように書けば良いのかを解説します。
1名の場合
下段中央にフルネームでまっすぐに書く。
連名の場合
3名までは名前を、年齢順もしくは上位から下位の順に右から書く。
4名以上の場合
代表者名を入れ、横に「外一同」もしくは「他○名」と入れる。
別紙に全員の名前を記入し、中包みに入れる。
会社名を入れる場合
名前の右側に、正式名称を略さずに記入する。
名前より文字が大きくならないよう注意。
シーン別の上書きと水引
水引の種類や表書きの書き方は理解できたかと思います。
しかし実際書く時に困るのはそれらの組み合わせ。
ここからは、シーン別に上書きや水引はどれを選べばいいのかを図にまとめて説明していきます。
慶事の場合の上書きと水引
慶事とは、はじめに説明したようにお祝い事を指します。
上書きの言葉はほとんどが御祝や寿ですので覚えやすいですが、
水引はシーンにより異なりますので注意しましょう。
弔事の場合の上書きと水引
弔事は、はじめに説明したようにお悔やみ事を指します。
慶事とは反対に、水引は覚えやすいですが、上書きが細かいため分かりにくくなっています。
宗教ごとの違いなど、細かな点も多々ありますので、しっかり確認しましょう。
その他の場合の上書きと水引
慶事、弔事とは別に御見舞や手土産などにも上書きや水引が必要です。
御中元などの季節の贈答は場合によっては頻繁に送るかと思います。
時期に応じて上書きも変わりますので、注意して覚えましょう。
練習問題
いつものように練習問題を用意しました。
確認に使ってみてください。
以下の現金を包む場合の水引の組み合わせとして、不適切と思われるものを選べ。
1)出産祝い=蝶結び
2)災害見舞い=結び切り
3)結婚祝い=蝶結び
4)香典返し=結び切り
不適切な組み合わせがどれか分かりましたか?
正解は(3)の結婚祝い=蝶結びです。
ブログ中に説明しているように、蝶結びは「何度も同じ事が起きても良いこと」に使います。
蝶結びは簡単にほどけ、再度結びやすい結び方ですから、それを考えれば分かりやすいですね。
結婚はお祝い事ですが、もちろん人生において1度きりの方が良いことです。
しっかりと結び切りを選ぶようにしましょう。
<記述>以下の場合、どのような上書きを書くのが良いか。それぞれ漢字で書け。
1)結婚
2)出産のお返し
3)法要
4)12月上旬~12月25日頃までの贈答
5)訪問時の手土産
それでは答えを確認していきましょう。
(1)寿・御祝(2)内祝(3)御仏前(4)御歳暮(5)粗品
間違えずに解答できたでしょうか。
記述式の問題によっては、漢字で書かなければならない問題もあります。
これらは一部ですが、すべて漢字で書けるようしっかり覚えましょう。
0 件のコメント:
コメントを投稿