今回は「社交文書」について説明していきます。社内文書、社外文書に続き3つめですね。
文書に関してはこれで最後になります。
社内文書、社外文書が分からない方は他記事で説明していますのでそちらを見ていただけると理解しやすいかと思います。
社交文書
早速社交文書について説明をしていきたいのですが、そもそも社交文書って何?どういう時に使うの?
と思う人も多いかと思いますので、簡単に説明したいと思います。
社交文書は仕事の内容以外で送る文書のことを指します。
例えば感謝状や見舞状などですね。
ビジネス文書の中でも最も格式を示さなければならなく、礼儀や誠意を示すことが非常に重要になります。
ですので正しい言葉遣いや敬語、また社外文書と同様に出てくる「慣用句」を正しく使いこなせなければなりません。
秘書検定2級でも頻出の内容になりますので、内容をしっかり抑えておきましょう。
社交文書の形式
社交文書は一般的には「縦書き」で書きます。
文書番号はつけません。
誠意を表す文書ですので「お礼状」「見舞状」「お悔やみ状」に関しては手書きで書かなければなりません。
社交文書の種類
- ○慶弔状
- お祝い事やお悔やみの書状です。一般的には電報が利用されることが多いです。
- ○見舞い状
- 病気や災害を見舞うときに出す書状です。
病気や災害は予期していないものですので、「前略」や「急啓」等で書き始めます。
当然時候の挨拶や日頃のお礼、繁栄の言葉は不自然ですので除き、主文から入ります。
- ○招待状・案内状
- 会合やパーティなどに招待・案内するための書状です。
- ○挨拶状
- 転勤や異動、閉店などを知らせる書状です。
- ○礼状
- 相手への感謝を表す書状です。個人に宛ててのお礼や、贈答のお礼をする際に利用します。
社交文書で適切な敬語
さて、次は敬語の使い方について説明していきます。
敬語とはいえ範囲が広いので、ここでは社交文書にふさわしい一部の敬語を紹介します。
ビジネスの場面ではあまり使われないので、知らない方も多かったのではないでしょうか。
仕事と直接の関係がないと思われるかもしれませんが、文書だけでなく会合や食事会で相手方と話をする時に使えますので、覚えていて損はありません。
社交文書の慣用句
社外文書でもでてきたように、社交文書でも相応の慣用句があります。無意識に使っている方も多いかとは思いますが、これを機に意味を理解して使いましょう。
- ○ご査収
- 「内容をよく確認してお受け取り下さい」という意味です。
- メールや文書でよく使い、口頭での言葉としてはあまり利用しません。
- ○ご笑納
- 「たいした品物ではないので、笑ってお納めください」という意味です。ただこの言葉は使い方に注意が必要です。
- 目上の人や上司、取引先への言葉としては不適切であり、謝罪する時にも使ってはいけません。
- ○時下
- 「この頃」、「現在」という意味です。
- 使い方としては頭語の後に使い、「時下ますますご清祥のこと~」のように時候の挨拶に用います。
- ○ご引見
- 「会って(面会して)ください」という意味です。相手を敬うときに使います。
- (例)人材を紹介したい時「ご引見くださいますようお願い申し上げます。」
- ○ご恵贈
- 物を贈られることを意味し、贈り物を貰うことを敬って言う表現です。
- (例)贈答のお礼「結構なお品をご恵贈賜りまして、心より感謝申し上げます。」
これらの慣用句は前後の言葉とセットにして覚えると良いです。慣用句だけを暗記してしまうと前後にどのような敬語をもってきて良いのか分からなくなる危険性があります。
社交文書の文例
社交文書の種類や書き方などを説明してきましたが、実際の文章を見なければ覚えられるものも覚えられません。
種類ごとに文例を挙げますので、パターンとして覚えていきましょう。
- ①礼状(会社宛)
- ②贈答のお礼状
- ③見舞い状
■練習問題■
いつものように練習問題を載せます。
今回も新しく出てきた慣用句や敬語を中心に問題を出しますのでおさらいまでに解いてみて下さい。
社交文書などで相手側のことを書くとき、次の言葉はどのように書くのが適正か。それぞれ1つずつ答えなさい。
1)父
2)母
3)娘
4)息子
5)家族
簡単だと思った人はそれぞれ2つずつ答えてみて下さいね。
それでは答えを書いていきます。
1)ご尊父様、お父さま、お父上
2)ご母堂様、お母さま、お母上
3)ご令嬢様、ご息女様、お嬢さま
4)ご令息様、ご子息様
5)ご一同様、皆々様、ご家族様
答えられたでしょうか。父母は分かりやすいですが、娘、息子は使う機会がなければ分かりにくかったのではないでしょうか。
すべて覚える必要はありませんが、こういった問題の対策の為にも2種類の言い回しができるようになりましょう。
以下は社交文書の文の一部であるが、それぞれ不適切な表現がある。
誤っている表現を見つけ、適切な表現に直しなさい。
1)最後にはなりますが、貴社のますますの発展をお祈り申し上げます。
2)おかげ様で、期待していた事柄を達することができました。
3)この度は新刊『○○○○』をご献本いただき誠にありがとうございました。
誤っている部分がどこか分かりましたか。一部、文例内で使用した言葉を問題として出しました。
記事内で説明しておりませんので、解けなくても仕方がありません。
しかし、「何だか違和感を感じる」と思えるようにしてください。
それでは答えを見ていきましょう。
1)末筆ながら、貴社のますますの発展をお祈り申し上げます。
2)おかげ様で、所期の目的を達することができました。
3)この度は新刊『○○○○』をご恵贈いただき誠にありがとうございました。
まず(1)の末筆ながらですが、この言葉はビジネスシーンの挨拶状やお礼状の末尾に使われる定型句ですので、覚えていて損はありません。
「追伸」と同様の意味を持ちますが、追伸は親しい間柄の相手に対して用いる言葉ですので、社交文書では不適切です。
次に(2)の所期の目的ですが、これは文例1の中に書いていました。「所期」とは、期待することを意味します。
つまりこれは期待していた目的を達成することができましたというお礼の文です。
出張だけでなく色々な社交文書に使用できますので覚えておきましょう。
最後は(3)のご恵贈です。記事内で説明していますので答えられたのではないでしょうか。
献本という言葉も適切に感じますが、本であれ使用するのはご恵贈が正しいです。
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