工程内検査の意味とは?中間検査の目的などについて

2019年12月6日金曜日

QC検定 検査

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製造業に携わる限り、工程の管理を行うことは避けては通れない必須事項です。


工程内管理を行う上で重要なのは、工程の検査を行い、後工程に異常品を渡さないことです。


「品質は工程内で作りこむ」という考えがありますが、この考えを形に出来る検査を「工程内検査」と言います。


今回の記事はこの「工程内検査」についてまとめていきます。



検査の目的



組織外で自社の不良が発生してしまうと深刻なダメージを負います。これを未然に防止するために「検査」を行い根本的な不良を取り除きます。

ー検査とはー
サービスや製品において測定・検査などを行い、規定要求事項(ISOの基準)と比較して、適合・不適合を判断する活動

また上記の「適合」が示すものは規定要求事項を満たしている事であり、満たされているものを「適合品」、満たされていないものを「不適合品」といいます。


検査の実施対象は大別して以下二つとなり、判定対象も異なってきます。


・製品 :「適合品」「不適合品」
・ロット:「合格」「不合格」


ここで検査の目的について触れていきます。

検査の目的とは 安定かつ優れた品質を顧客に提供するために、製品が基準内に収まっているか評価し、その評価を関連部署にフィードバックを行い、工程改善につなげる事

検査というのは単に検査を行って「適合・不適合」、「合格・不合格」を提示するのが目的でなく、検査によって根本的な不良の流出を防ぐことが第一の目的となります。



検査の種類




検査を行う際に重要なのは、その時行わなければいけない検査方法を的確に選択し、正確に活用していく事が求められます。


上記を完璧にこなすことで、異常品の発生を押さえたり、不適合品の市場流出を防いだり、次工程からの信頼、市場からの信頼を得ることが可能となります。


この検査方法の種類は大きく分けて3つに分類され、さらにそこから細分化していきます。




大別すると「生産プロセス」「判定方法」「実施方法」のつに分類され、そこから「受け入れ検査」「官能検査」「全数検査」と言うように細分化されます。


細分化された検査方法は10個に分類されこれらを徹底することで良質な品質の確立へ繋がります。

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今回の記事では生産プロセスの枠組みの中の「工程内検査」についてまとめていきます。


工程内検査とは



【工程内検査とは】
前工程から次工程に移動してもいいか判定するための検査の事

つまり完成に至るまでに工程間で行うことを指します。


受入検査は材料を購入して品質的に問題がないかチェックを行うのが「受け入れ検査」でその後材料を加工して、材料に何かしらの価値を追加して形や寸法が正しいことを確認を行い組み立て以降の工程に流していく事です。


工程検査には各工程間にその道に詳しい専任検査員を配置して検査する場合と、工程の作業感者が自ら検査する場合の二択になります。


この後者を「自主検査」と言い「後工程はお客様」を意識して不良品を流さないことを徹底することが大切となります。

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不良による製品の廃棄や製品の手直しなどの作業コストを削減していき事が重要となります。

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この工程内におけるコスト削減ですが、機械をその都度変えて見かけ上のコストに対応していくのはあまりに非効率です。


その時設備ではなく「人」にコストを変えていく事で解決する場合も多くあります。


しかし「人」を活用するには多くのリスクを抱えます。


そのリスクとは何でしょうか。


工程内のコスト削減には「人」を活用



前章ではコストは設備でなく「人」にかけるべきであると述べました。


しかし設備などの機械とは違い「人」は疲れや感情というのが要因として働いたりすることで「作業にばらつき」が生まれます。


これは仕方がないことですが、この「ばらつき」をいかに抑えるかがコスト効率の改善に繋がります。



労働者(人)の強みとばらつき



自動化が進んでいる設備主体で生産するラインには人のばらつきというのはそもそも生まれませんが、今ある「製造業」の多くはモノを「人の手」で作っています。


人はある程度の「型」には収まりますが機会と違って「物事を学習」していきます。


つまりコストをかけずに人は入れ替えが可能で作業を進めていくうえで自ら改善をしていきます。


最近よくCMで見かける言葉で「人間の本質はモノを考える事にある」というのがあります。


まさしくこの通りで物を考えてか、それを形にして、改善しより良いものを作りこんでいく。


この一連の流れがあるからこそ「今」があります。


これに対して設備を変更する場合には、多くのコストと時間がかかってしまいます。


あくまで一例として参考にしていただけたらと思います。


時間に対する費用対効果の「設備ー人」グラフを示しました。


設備はコストがかかるデメリットがありますが、導入直後から恩恵が得られ時間に対するコスパというのはほぼ一定になります。


しかし「人」はどうでしょう。


「人」を活用する場合、知識や能力は初めのころはほぼ0に近い状態です。


しかし時間がたつにつれて学習していく事で時間がたてばたつほど費用対効果というのは上昇していきます。


ものづくりの設備というのは長く使うのが基本となります。


なので結果として「人」をうまく育て活用することが一番効率的な作業法となります。


しかしメリットばかりではなくデメリットも存在します。

【作業者間のデメリット】
作業者間の作業ばらつきによる異常品の発生

自分では理解していても、同じ工程の作業者にうまく伝わらず、理解してもらえていなかったらそれは「伝わっていない」という事になります。


この情報の不伝達により、作業者間にばらつきが生じ、結果として「異常品」を発生させてしまい、コスト効率へ影響を与えてしまいます。


その点機械は、一定の作業法で行いますのでそういった心配がないので一長一短といった所でしょうか。


ではこの問題を解決するにはどのような施策をするべきなのでしょうか。



ベテラン作業者を自身のロールモデルにする



先ほど「人」の費用対効果は時間経過に依存するというように述べました。


言い換えれば、早い時期から「人」を育てる事が出来ればその工程自体の底上げにつながり結果、高コスト効率を成し遂げられます。


それを成し遂げられるのはたった一つの戦法が以下になります。


ベテラン作業者を自身のロールモデルに


つまり熟練者をモデルにして真似るという事です。


例えばベテランと他の作業者の違いは何か、作業動作は何を意識しているのか、などを細かく分析をしていきます。


この事を「作業分析」と言います。


この方法は他の改善とは違って、目の前にすでに完成された姿が実現しているので、両者を比較していく事で違いが明確になります。


この違いの気づきというのを教育・拡散・訓練を行うことで工程内の底上げを図ります。


上の図はあくまで一例ですがこのような感じで伸びるんだという認識を持っていただければ大丈夫です。

工程内の自動化は必要ないのか?



今までの説明では設備投資を否定していて「人」のみ考えればいいというように見れるかもしれません。


しかし根本的に批判してるわけではなく、工程内の設備投資はある程度行うべきです。


特に「自動化」を行うことで「人」のばらつきをなくし、根本的な品質改善に貢献します。


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この事から、定期的な自動化システムの導入、特に「不良自動検出器」などの活用をする事が工程に最大の効果を発揮します。


不良検出器を活用し、少ない人員(熟練者)で工程作業を行うことがコスト面を見ればベストな方法と言えるでしょう。



まとめ



工程内検査は「後工程はお客様」を意識して行う

工程内検査は「人」「設備」のバランスを考える


いかがでしたか?
今回は検査のうちの工程内検査についてまとめました。


次回は最終検査です。それでは!

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