パレート図の作り方とは?見方や特徴・メリットについて分かりやすく解説

2019年9月12日木曜日

QC7つ道具 QC検定

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皆さんは改善を行う際にどういったことを意識していますか?


改善対象はすべて改善することが勿論一番ですが、時間やコストを考えた時にそれは現実的に厳しいものとされています。


この改善の順番を視認化するtoolがパレート図でありQC7つ道具の一つとされています。


それではパレート図はどういった方法で重点項目を導きだし、問題を見極めていくのでしょうか。


前回の記事では基本統計量についてまとめています。興味ある方は是非↓↓↓

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パレート図とは?特徴とメリット


ーパレート図とはー
問題を重点化し、効率的かつ効果的に改善目標を達成する為のツール

聞いたことがあるかもしれませんが、このパレートというのはパレートの法則から派生して生まれました。
パレートの法則とは-https://www.weblio.jp/content/パレートの法則

パレートの法則を簡単にまとめると以下のようになります。

ーパレートの法則とはー
複数の問題が発生している時、それらは同じ比率ではなく、いくつかの大きな問題が大半を占めている事

つまり問題解決を行うときに大きな問題から順に取り掛かることで、効率的な改善効果が見込まれます。


ここでいったんパレート図の強みをまとめると、

パレート図の特徴とメリット ・影響の大小を瞬時に把握できる
・各項目が全体で占める割合の把握
・改善効果の変化の把握


現場でパレート図が重宝される理由


現場では常にトラブルや問題・改善点に囲まれています。


それらは一定の頻度で起きるものはほぼなく、突発的に起こるものから日常的なものまでと幅広いものとされています。


人員を増やしてトラブル対応専門の部隊を作ればいいのかと言われれば、それは組織としては避けたい手段です。


企業は営利目的で活動を行っているため、出来るだけコストは押さえていくのが基本です。


なので現場の人数を予定より増員するというのは本当に難題なトラブルに遭遇したときの手段になります。


そこで限られたコスト内(人員・時間)で効率よく解決していくために、パレート図を用いて損失金額・問題の大きなものから優先的にとりかかることで、現場の問題がスムーズに改善されていくため「パレート図」は現場で重宝されています。


パレート図の見方


さてそれでは実際どのように重点項目を見ていくのでしょうか。


以下のグラフを用いて解説していきます。



ー横軸ー
不良項目

ー縦軸ー
不良件数

ー縦軸(第二)ー
累積比率


累積比率とは一番大きな問題から順番に値を合計した数の全体を占める割合の事を言います。


図を見てみると、極端な例となってしまいますが、「あ」「い」を改善することによって80%の問題を解決することが可能となります。


パレート図は重点項目が一目で理解かつ効率的な改善を可能とすることを理解していただけたと思います。


次は作り方について見てみましょう。


パレート図の作り方



パレート図を作成するにあたり8つのステップがあります。

1.目的・分類項目の明確化
2.データ収集
3.データの整理
4.軸の記入
5.棒グラフを作成
6.累積比率を記入
7.作成日などの必要事項の記入
8.考察

手順①:目的の明確化


パレート図を作成するする際、調査の目的をはっきりさせます。


例えば「どのような問題が起きていて、どの項目が多いのか」「損失金額が多いのはどれか」


目的をはっきりさせたら改善対象の明確化を行います。


例えば、「原材料」「最終製品」「機械」「部品」「部署」「欠点」


手順②:データ収集


分類項目のデータ収集を行います。分類項目は5~10ほどを目指し、データの数は多いに越したことはないので30~50は欲しいところです。


データの採取期間は1か月以内を目指し、この時チェックシートを活用するととても効率的に行えます。

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手順③:データの整理


整理のポイントは以下の6つになります。

1)データを大きい順に並べる
2)件数を記入
3)個々の比率を計算して記入
4)累積件数を記入
5)小さいものはその他にまとめる
6)その他は最後にまとめる


手順④:軸の記入



縦軸と横軸を記入していきます。


横軸

横軸にはデータの多いものから順に記入。
その他は大きくても絶対最後に書く


縦軸

縦軸には欠点数・損失金額・不適合件数など


縦軸(第2)

累積比率を記入
縦軸の最大の位置に第二軸の100%を設定


手順⑤:棒グラフを作成


1)件数の多い順に左詰めで書く
2)棒と棒の間は開けないようにする
3)その他は絶対右


手順➅:累積比率を記入


1)各項目の累積数を、柱の右側の延長上に打点し、これらの点を結んで折れ線を描く(累積曲線・パレート曲線)

2)起点は始点0を通るようにする

手順⑦:必要事項の記入


データの条件や今までの履歴が分かりやすいように、データの調査期間、工程名、作成日、作成者名などの必要事項の記入をする。


手順⑧:パレート図を考察する


1)パレート図から分かることを皆で意見を出し合い考察する。

2)考察したら次に何を改善すべきか考える


パレート図の効率的な活用法



パレート図を効率的に活用するにあたり3つの活用法があります。


1)Excelのフル活用

2)改善の比較

3)QCストーリーへの活用


それではひとつづつ見ていきましょう。


活用法①:Excelのフル活用


パレート図を普段の仕事で手書きで行うのは非効率的です。


今どきはQC7つ道具作成toolなども出ていますので、「パソコンが苦手」「手っ取り早く作りたい」そんな人にはお勧めの方法です。


またExcelをフル活用するメリットは

1)グラフの半自動作成

2)データ変更・コピーなどが簡単

などが挙げられ、これは手書きでは不可能なので積極的に活用していきましょう。


活用法②:改善の比較


パレート図は改善効果の大きさや不良内容の変化を知ることが出来ます。


その際改善前のパレート図と改善後のパレート図の縦軸の目盛りを同じにすることで改善の大きさが一目で分かります。



また改善後のパレート図で項目の順番が変わることがありますが、これは気にしないようにしましょう。


活用法③:QCストーリーへの活用


QCストーリーは問題解決を手順化したもので、8つのステップに分類され、最もこの流れで重要な手順が「現状把握」「要因解析」「効果の確認」です。



この3か所で活用するのがパレート図であり、QCストーリーの根本的問題を把握することは勿論、改善効果の確認がスムーズに行われます。


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パレート図と層別の関係 




層別とパレート図を組み合わせ、層別の仕方を変えてみると、違いが明確に表れ対策が立てやすくなります。


下の図(例)を見てみると、全体的なパレート図は項目「あ」「い」が大きな割合を示しており、あたかも重点的な課題であるかのように思えます。


しかしいざ層別してみるとグラフの項目間の大きさはほぼ一定であり、問題がないことが分かります。




例えば機械別に層別することによって、機械ごとの重点順位の差異などの発見につながります。


ここでも項目としては4Mを軸として挙げる事が多いので、「作業者別」「材料別」などいずれかの項目の分布がおかしいときは疑いましょう。



まとめ


パレート図は「現状を効率よく把握」することが可能であり、改善後の「考察」がしやすく課題が見つかりやすい

QCストーリーにうまく活用することで、課題の本質が見抜ける



いかがでしたか?
今回はQC7つ道具の一つである「パレート図」について解説致しました。「パレート図」は何かと業務でも活用できますのでこれを機に完璧にマスターしちゃいましょう!

次回は特性要因図についてです。それでは!

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