抜取検査の基準とOC曲線との関係とは?規準型・調整型・連続生産型の特徴について分かりやすく解説

2019年12月30日月曜日

QC検定 検査



検査を実施するうえでは大別して全数検査と抜取検査に分類され、これらをうまく活用していく事で効率的かつ効果的に検査を進行させ、最終的な検査コストを削減することが可能となります。


本記事では実施検査の一つである「抜取検査」について分かりやすく解説していくとともに、OC曲線などの解説も行っていきます。


前回の記事では「全数検査」についてまとめていますので、興味ある方は是非↓↓↓

全数検査を行うメリット・デメリットとは?特徴・目的などについて分かりやすく解説

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検査とは何か




自社で手掛けた製品に問題がありそれが市場に流出した時から、それは問題として扱われます。これを未然に防ぐために「検査」を行い不良品の市場流出を防ぐ必要があります。

ー検査とはー
サービスや製品において測定・検査などを行い、規定要求事項(ISOの基準)と比較して、適合・不適合を判断する活動

また上記の「適合」が示すものは規定要求事項を満たしている事であり、満たされているものを「適合品」、満たされていないものを「不適合品」といいます。


検査の実施対象は大別して以下二つとなり、判定対象も異なってきます。


・製品 :適合品・不適合品
・ロット:合格・不合格


ここで検査の目的について触れていきます。

検査の目的とは 安定かつ優れた品質を顧客に提供するために、製品が基準内に収まっているか評価し、その評価を関連部署にフィードバックを行い、工程改善につなげる事

検査というのは単に検査を行って「適合・不適合」、「合格・不合格」を提示するのが目的でなく、検査を行うことで核心である不良の流出を防ぐことが第一の目的となります。


検査の分類



検査を行う時に重要なのは、その時求められている検査方法を的確に選択し、正しく利用していく事が重要になります。


上記を正しく活用していく事で、異常品の発生を抑制したり、不良品の世の中への流出を防いだり、他工程からの信頼、市場からの信頼を得ることが可能となります。


この検査方法の種類は大きく分けて3つに分類され、さらにそこから細分化していきます。



大別すると「生産プロセス」「判定方法」「実施方法」のつに分類され、そこから「受け入れ検査」「官能検査」「全数検査」と言うように細分化されます。


品質管理における検査の種類についてまとめています。興味ある方は是非↓↓↓

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今回の記事では実施方法の枠組みの中の「抜取検査」についてまとめていきます。


抜取検査とは



【抜取検査とは】
規定の検査方式に基づいて、ロットからサンプルを抜き取って調べ、その結果が合格か不合格かを判定する事

抜取検査は、不良数が基準以下の場合、そのロットは合格と判断し、基準以上であればロットを不合格とします。


基本的にはロットに不合格が生じた場合、ロットに対して全数検査を行い、良品のみを次工程に流していきます。


つまり抜取検査は「はじめから次工程に異常品が少なからず流れる事を考慮したうえで検査を行っている」ことが前庭となってきます。


ものづくりにおいてはすべての製品において全数検査を行っていくべきですが、時間とコスト面を考えたときなかなか厳しいです。


なので工程内検査において、全数検査のコストが再検査コストや破棄コストよりも高くなる場合、やむえず破壊検査しか検査方法が残っていないとき抜取検査が有効となります。


抜取検査はどんな時に活用するのか



全数検査ではなく抜取検査を活用する場合は以下の5つに当てはまっている場合が多くなります。

①破壊検査を活用するとき
②多少の不良品の混入が考慮されている時
③液体・紙・連続体
④検査個数・検査項目が多い
⑤少ない検査工数で行いたい時


抜取検査と破壊検査


破壊検査とはその名の通り、強度や成分内部構造を把握するうえで、製品を破壊し検査をする事を言います。


当たり前の事ですが、破壊検査を行うと製品の価値がなくなってまいます。


その為、全数検査ではなく抜取検査という枠組みになります。


この破壊検査によるコスト削減を行うためには、検査自体をサンプルで代用したり、超音波検査なども取り入れて出来るだけコストの意識も徹底していく必要性があります。



抜取検査と不良品混入の関係


抜取検査が適用される多くの場合、多種・多量のものを検査する場合が多くなりがちです。


例えば、ネジ・輪ゴム・クリップのように大量の製品すべてに対して検査を行うことは、時間的に見ても、経済的に見ても現実的ではありません。


そのため抜取検査によって検査の手間を減らすとともに、不適合品の混入をある程度は認める方がコスト面だけにフォーカスすると経済的にを有利になります。



液体・紙・連続体の抜取検査


紙や布などの連続体、粉体・液体などはすべてを検査する事は難しいので、その一部を抜き取って、抜取検査を行う場合が多くなります。



検査個数・項目が多い抜取検査


他の要因と重複するところもありますが、全数検査で検査項目、検査項目が多くなると、時間、コストがかかることは勿論、疲労し、注意力が散漫し、結果不適合品の発生に繋がってきます。


抜取検査を行い検査個数を厳選する事で、注意力が持続し、全数検査より不適合品の見逃しを減らす場合があります。



抜取検査とOC曲線



製造業では全数検査を全面的に活用していく事は少なく、多くの場合は、抜取検査を実施する事が多いと言えます。


何故かというと抜取検査でも品質を保証できる統計的確証があるからです。


その統計的確証とは何かというと、OC曲線における設定した抜取条件により、確率論で裏付けられて定まる理論的な曲線による確証です。


OC曲線(検査特性曲線)とは


下図のように横軸にロットの品質を取り、縦軸にロットの合格する確率をとって、規定の抜き取り検査方式(n,c)における、ロットの不適合品率に対するロットが合格する%をプロットすると、一本の曲線が得られこの曲線をOC曲線といいます。


上記の事を要約すると以下のようになります。

OC曲線(検査特性曲線) ある品質のロットがどれくらいの割合で合格になるか示したもの

因みに各用語の意味は以下のようになります。


・OC曲線=検査特性曲線
・n   =サンプル数
・c   =判定基準値




それでは例を用いてみてみましょう。


例えば、n=20、c=2の計数抜取検査の図を見てみるとロットの不合格率が5%のロットは92%の確率、不合格率が20%のロットが合格する確率は24%で合格する事が読み取れます。


グラフでなく図で関係を簡単に表すと以下のようになります。



生産者危険と消費者危険

下に示すOC曲線を見てみると不適合品率5%の合格確率は0.92です。


これが何を示しているかというと、不適合品率5%というそこそこの品質なロットにおいても、検査を100回行えば8回不合格が起き、1000回行えば80回不合格になってしまうという事です。


このような事を生産者危険といいます。


また不適合品率が20%という質の悪いロットにおいては逆に100回に24回ぐらいは合格してしまい、この場合を消費者危険といいます。

生産者危険α
合格にすべきロットが検査で不合格になる確率。生産者にとって不利な状況に陥る事。

消費者危険β
不合格にすべきロットが検査で合格する確率。消費者にとって不利な状況に陥る事。


このように生産者・消費者共に危険が潜んでいるので、取引する際は予め、基準値を設けてお互いが納得をしたのちに取引を成立させましょう。



抜取検査の種類



抜取検査は大別して以下の3つに分類され、設計方式によって用途が異なります。


・規準型
・調整型
・連続生産型


規準型抜取検査


供給側の保護と受入側の保護を定め、両者winwinな関係になるように設計された検査です。


供給者側の要求は「不適合率(合格にすべき)・生産者危険」を設定する事で満足させます。


受入側の要求は「不適合率(不合格にすべき)・消費者危険」を設定する事で満足させます。


基本的に生産者危険は5%、消費者危険は10%に定められています。



調製型抜取検査



調製型抜取検査とは過去の検査の品質実績から合理的な検査を行うものとされています。


いい品質の物であれば検査を緩くしたり、逆に品質が悪いものであれば検査を厳しくしたりします。


そしてそこから得られた実績を検査水準にフィードバックする検査方式となります。
受入側が検査基準を設定する検査で種類が3つ存在します。


AQL(合格品規準)指標型


受入側が定めた合格品規準より品質が良い場合、供給者側にほぼすべてのロットに対して合格を約束します。


工程平均として不足がないと判断される不良率の上限や、合格することのできる最低限に品質を指し、受け取り側が検査基準を「なみ」「きつい」「ゆるい」と調整できる抜取検査になります。


LQ指標型


ロットに対して「なみ検査」「ゆるい検査」「きつい検査」といった分別が無いとき、限界品質(LQ)を設定する検査の事を指します。


スキップロット型


供給側が効率的かつ効果的な品質管理をすでに実施しており製品の品質が継続的に確保できている場合、検査するロットとしないロットを設定して、手間を軽減させる方法になります。



連続生産型


「ロット」ではなく連続生産で製品が流れてくるときに適用されます。


最初は1個1個検査を行うが一定数の適合品が続けば抜取検査に切り替え、不適合品が発見されたらまた1個1個検査を行うやり方です。


このやり方はまさに「全数検査×抜取検査」のハイブリット型だと言えます。



まとめ


・抜取検査は以下の場合で適応される
①破壊検査を活用するとき
②多少の不良品の混入が考慮されている時
③液体・紙・連続体
④検査個数・検査項目が多い
⑤少ない検査工数で行いたい時

・OC曲線を活用するとある品質のロットがどれくらいの割合で合格になるかが分かる


いかがでしたか?今回はふき取り検査についてまとめてみました。


次回はブレーンストーミング法についてです。それでは!


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